ISO感度を固定し、皆既中と同じシャッター速度で太陽フィルターの有無だけを変えた画像を得ることで対応する。同じ機材でダイヤモンドリングも撮像することにする。
ここでISO感度を揃える理由は、画像素子がため込むデータは同じだがこれを増幅して画像処理し、データとして記録するので、感度を変えると増幅率が変わるため、増幅率のブレがあった場合、データ処理が難しくなるのではないかと考えるため。シャッター速度も微妙にブレが出たら嫌。絞りは変わらないから、感度とシャッター速度を揃えればある程度形になるデータにならないだろうか?と考えた。加えて太陽フィルターも、いきなりND100000では濃度ムラが測れないので、ND400×2枚重ねか、ND200+ND500のタンデムにしておく。
フルサイズのデジイチ(Nikon Z6)を使うので、ある程度の大きさの太陽像を得る為には、BORG77EDII(D=77mm, f=510mm、F6.6)にフラットナー兼の1.4倍エクステンダーを取り付けて、f=714mm、F9.3として使う。
Nikon Z6のノイズの出方を見ると、ピクセル等倍でみてISO感度を400以下に抑えたい感じ…なのでISO400に統一する。こんな表や計算サイトがあるのや過去に写した自分の画像を見た感じ、皆既中のシャッター速度はプロミネンスと極内部のコロナに1/3000秒、さらに広がるコロナは1/1000秒~1/2秒迄1.5EV間隔で7段、全行程10.5EV分を撮像する。
もう一方で太陽面は、ND100000相当のフィルターを介してISO400でF9.3だと1/1000秒くらいがどうやら適正露出なので、明るい方(太陽の真ん中あたり)に1.5EV速い1/3000秒、周辺の暗い方向対応で1.5EV、3EV遅い1/350秒・1/125秒を撮像する。
で、これらのデータと共に、皆既日食の個人的白眉・醍醐味であるダイヤモンドリングの撮像もしたい。シャッター速度はシャッター幕による回折でにじみが出ないように1/500秒より遅くしたい。太陽の外縁をごく内部のコロナとプロミネンスが写って光球面が顔を出した時の光を撮像するなら、1/500秒でISO200が良いと過去の例を見て決める。
こうした面倒な制御は、ニコンの公開するソフトウェア開発キット(SDK、C++でプログラミングを行う)を基礎においてC# wrapperを介してC#でソフトウェアを開発する。なぜC++じゃないかというと、ニコン謹製SDKに付属するC++のデモソフトよりC# wrapperのデモソフトの方が素人には理解しやすかったから。 |