Lab. of Voynich Code
2020年アルゼンチン皆既日食のたくらみ
望遠鏡レンズの解像度・焦点深度計算
2019.08.08 Open:2020.09.13 Up

果たして望遠鏡レンズはデジカメに対して十分な解像度があるか?

   望遠鏡レンズにデジタル一眼を接続して皆既日食を撮像するけれど、望遠鏡レンズはデジタル一眼に対して十分な解像度を持っていると言えるのだろうか?
 或いはキチンとピントを合わせる時にどれくらい誤差が許されるのか?
 そんなことが気になったので計算してみました。我流の考えなので間違っている可能性はありますが…

ドーズの限界による望遠鏡レンズの解像度とピクセルピッチ比較

θ”=115.8”/D
 なので60mmだと1.93"となります。
となると、この1.93”という値は画像素子にとってどれくらいの大きさになるのでしょうか?
・BORG60EDの焦点距離は350mm、これに1.08倍フラットナーを噛ますと、378mmとなります。
・画像素子上では、378×tan(1.93")=3.54μm
・OM-D E-M10 mk IIは、17.3mmx13.0mmの素子の大きさで、4608x3456個の素子が集まっているのでピクセルピッチは、3.75μmとなる。
よって、ドットピッチは画像素子上でのドーズの限界による分解能より荒いので、60mmの望遠鏡レンズで十分な解像度を持っていると考えてよい。或いは実質的なもっと分解能はもっと高いんでは?と考えるなら(レイリーの限界は荒くなるが、他の限界はもっと細密になる)、更に望遠鏡レンズの分解能は口径60mmでも十二分に高い事になる。

焦点深度の計算

Δ=2εF
 Δ:焦点深度,ε:許容散乱円,F:F値
・Z6のピクセルピッチ.6μm、Z7なら4.3μm、E-M10なら3.75μm、これを最小散乱円にする
・BORG77EDII+x1.4テレコンの時、F9.3
・BORG60ED+x1.08フラットナーの時、F6.3
 すると、
・Z6の焦点深度は112μm
・Z7だと87μm
・E-M10なら47μm
⇒使用中のBORG M57ヘリコイドDXIIの1目盛は100μmなので、回す分には
・BORG77EDII+Z6/7では1目盛=約1mm位の幅での動きが誤差として許されるので比較的何とかなりそう
・BORG60ED+E-M10では、0.5目盛くらいの誤差でちょっと難しそう

 ちなみに銀塩時代の最小散乱円は20μm位だったようです。
   (吉田正太郎・カメラマンのための写真レンズの科学・地人書館)
inserted by FC2 system