Lab. of Voynich Code
2023年オーストラリア・インドネシア    金環皆既日食のたくらみ
偏光画像の撮影システム
偏光フィルターターレットの製作
2021.01.10 : PreOpen

偏光撮像をする事とそこで発生する問題

 偏光フィルターを付ける事で…
 偏光フィルターを介することで、Fコロナ(輝線成分)・Kコロナ(散乱光で連続光成分)の分離、コロナの流れる方向(地球側か逆方向か、等)が判るそうです。この辺どのように分析・計算するとかは私には十分に分かっていないです。偏光は、45度刻みと60度刻みが基本になるそうです。ここでは45度を採用しました。
 フィルターを介する場所は、望遠鏡レンズとデジイチの間に入れる事も出来ますが、像界に何か入れるのに抵抗があるので、レンズの前・物界の方にフィルターを入れる事にしました。
 偏光フィルターがレンズの前に入る事で…
 対物レンズ前面で反射した光がフィルターで再度反射しデジカメに映ってしまうという問題が出ました。

     

 この対処のため、対物レンズとフィルタは平行にせず、角度を付けて取り付ける事にします。

     
 偏光フィルターをどれだけ傾けるか
 使用光学系(BORG 45ED II+1.08倍フラットナー)にマイクロフォーサーズ機を取り付けると、画角は2.8×2.1°となります。太陽像をど真ん中に入れて短辺方向でゴーストとなる太陽像を排除ずるなら、短辺の画角+太陽像の半分の角度、つまりは(2.1+0.5)/2=1.3°ずらせば良い筈です。ここでは手持ちのスペーサーの関係から1.5°ずらすことにしました。

材料と組み立て

 材料
ターレット本体となるアクリル板
直径200mm、中心にステッピングモータの軸が通る穴とフィルターの収まる5つの穴(1つは素通し、4つは偏光フィルターを嵌める)を等間隔に開けます。この工作は自分では行わず、「はざいや」というアクリル板の加工販売会社で通販しました。HP上で設計図を書く事で1枚からオーダーメイド出来ます。色は黒の不透明、厚さは2mmです。ステッピングモータの中央穴は5mm、フィルター穴は58mmにしました。
偏光フィルター
マルミの55mmフィルターを使いました。取り付けネジは55mmでも開口は51mmです。望遠鏡レンズの口径は45mmなので、52mmフィルタで開口48mmでも良いのでしょうけれど余裕を取りました。
ステップダウンリング
58mm→55mmのものです。フィルタターレットに偏光フィルターを直付けしても良いのですが、フィルタだけでも繰り返し使えるように、と考えて加えたものです。
プラ板
厚さ0.5mmのプラスチック板。模型用です。ステップダウンリングのネジは2.3mmあるため、そのままだとターレット本体のアクリル板から少しネジが飛び出します。これを回避するためにここでは0.5mmのプラ板をスペーサーにする事としました。
角度を付けるためのスペーサー
太さ1.5mmのリード線を使いました。
フランジカップリングとローレットネジ
アマゾンで見つけました。ステッピングモーター軸に適合する5mm穴の開いたもの。イモネジが付属しますが、取り外しに六角レンチが必要になるので不使用。イモネジの代わりにローレットネジをネジ屋さんにて購入。
アクリル筒
外径70mm、厚さ3mm、長さはココで50mmのアクリル筒。望遠鏡に取り付けるフィルタとフードの間を埋めるために使用
モルトプレーン
銀塩カメラの光侵入を防ぐための遮光スポンジフォーム。厚さは2mmを選択。レンズフードの先端を受け止め、他方ではフィルターターレットとの擦れ合いの緩衝材にします。
植毛紙
モルトプレーンでは回転するターレットの滑りがイマイチ宜しくないようなので、これを張り付けて摩擦を低減することにしました。
プラ板
厚さは0.5mm、外径70mmの円盤に50mmの穴を空けます。上のモルトプレーンや植毛紙を張り付ける土台となります。
フェルト生地
アクリル筒とフードの間を埋める遮光素材。黒色を使用しました。
 組み立て
フィルターターレットは以下の画像のように組み合わせます。接着は全てエポキシ接着剤を使用しています。

ステップダウンリングに1.5mmのリード線の端切れをエポキシ接着剤で張り付ける。これで1.5度程の角度が付きます。

アクリル板に0.5mmプラ板のスペーサーをエポキシ接着剤で張り付けます。

 ステップダウンリングのオスねじにエポキシ接着剤を盛ってプラ板スペーサーを張り付けたアクリル板にはめ込みます。

この時、下方向にエポキシ接着剤が垂れて出っ張りが出る・下の台に張り付くのが嫌だったので、ダイソーで買ったIHグリル用シリコンシートを下に敷き、平らな所に置いて固まるのを待ちました。本当はキャン★ドゥにあるらしいテフロンのクッキングシートが良かったのですが、近辺の店には無くて…

 エポキシ接着剤が固化するまで、上のフラットマット上に置いておきました。

尚、ステップダウンリングに角度をつけたのは、偏光フィルタを取り付ける4個分。皆既中は素通しになる1つ(ピント合わせ用ソーラーフィルター或いはNDフィルタが付く)には角度をつけていません。
 偏光フィルターを取り付けるとこんな感じ。角度を付けていないモノには手持ちのND200と500のフィルタ(67mm)を収めるべく、55→67mmのステップアップリングを嵌めています。となりのもっと大きなステップアップリングにはバーダーアストロソーラーフィルターを張り付けてピント合わせに使います。


フランジカップリングの3.2mm位の穴をドリルで3.3mmの穴に拡大し、M4ネジを切りました。


ステッピングモーターに実際に嵌めて、ターレットのアクリル板の穴の位置とモーターの切り欠きの位置を合わせてマーキングします。マーキングはフランジの穴にドリルの刃を入れてぐりぐりしてアクリル板に跡を付けました。

組み合わせて完成!


アップ


 裏面


望遠鏡レンズと架台に組み合わせるとこんな感じです。
今は偏光フィルターなどを入れていない状態です。
  

月を使った試写

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