Lab. of Voynich Code
2023年太平洋金環皆既日食のたくらみ
フラッシュスペクトル動画撮影
2021.12.8Open

フラッシュスペクトル撮影の概論

そもそもフラッシュスペクトルとは?
 画像は色々あるので、リンクだけ…
 回折格子を通して皆既日食の直前直後を撮影するもの、です。
 これをやるとリンクのように太陽の直径を測定したり、輝線スペクトルを解析したりできるのですが、今回は面白そうな映像表現になるかな?という事で採用しました。
 太陽像に近い所から、青~赤の順にスペクトルが広がります。

スペクトルの出る位置
 太陽は真っ直ぐそのままの位置に写るが、スペクトルは離れた所に出る。その位置は…

 格子定数=d
 角度=θ
 次数=m
 波長=λ
 とする時、
 sinθ=mλ/d
 となる。

 530本/mmの回折格子では d=10^-3/530=1.887×10^-6
 1次スペクトルの一番外方向にあるのが650nm
 計算すると、sinθ=0.3445、よって、Asin(0.3445)=20.2度
 
 同様に140本/mmの回折格子では、d=10^-3/140=7.14×10^-6
 1次スペクトルの一番外方向にあるのが650nm
 計算すると、sinθ=0.0910、よって、Asin(0.3445)=5.2度

 ここで、手持ちのレンズをフジフイルムX-A7(APS-C)に530本/mmの回折格子を取り付ける時、
 28mm:45×33度
 35mm:37×27度
 50mm:26×19度
 85mm:16×11度
 中央に太陽を置いた時、両サイドのスペクトルを写す場合40.4度以上画角があるのは28mm以下
 端に太陽を入れて片方のスペクトルを写す場合は50mm前後

 或いは140本/mmの回折格子を取り付ける時は
 135mm:9.9×7.1度
 220mm:6.1×4.3度
 
 ある程度の大きさの太陽像を得ようとするとき、135mmと220mmが良さそうな画角になる。
 ここではBORG 36EDに×1.1フラットナーを取り付けた220mmを使う事にする

回折格子&太陽フィルターホルダー

 
 他に直径60mm、長さ60mm、厚さ2mmのアクリルパイプと2mm厚のスポンジシートを使用


部品をすべて揃えて。真鍮板はフィルタを押さえるばねとして使用・接着剤とネジで固定


組みあがるとこんな感じ


5mmのアクリル棒で空間を作り、板ばねでテンションをかけます。


望遠鏡レンズに入れ込む方から。真鍮板が見えます。


フィルタホルダ、D5太陽フィルタ(BAADARアストロソーラーフィルタ)、回折格子

 
望遠鏡レンズに取り付けるとこんな感じ

 
こんな形でAZ-GTiに載せます

 
基部にスリックの微動雲台SMH-250を介します
もう一方には偏光撮像装置がマウントされます

作例

Nikon D5500に取り付けて撮影
D5太陽フィルタを介してISO200、1/125秒
実際にはフジフイルム X-A7で4K動画として撮影予定

ところでX-A7の素性は?サッポロポテト現象チェック


Samyan 14mm F2.8→22 で撮影
取り敢えずサッポロポテト現象は発生しない様です。
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