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2020.12.26 Open : 2022.09.24 Update |
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望遠鏡レンズはデジカメに対して十分な解像度があるか? |
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望遠鏡レンズにデジタル一眼を接続して皆既日食を撮像するけれど、望遠鏡レンズはデジタル一眼に対して十分な解像度を持っていると言えるのだろうか?
或いはキチンとピントを合わせる時にどれくらい誤差が許されるのか?
そんなことが気になったので計算してみました。我流の考えなので間違っている可能性はありますが… |
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レイリーとドーズの限界と素子上で分解可能な距離
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使用する望遠鏡レンズは
- 偏光撮像:D=45mm, f=325*0.85 = 276mm : F6.1
- コロナの明るさ:D=77mm f=510*1.4 = 714mm : F9.3
波長λ=502nm(コロナの色:緑、Heの輝線の1つ)と設定する
デジイチのピクセルピッチは
- 偏光撮影
- OM-D E-M10 mk IIはmicro4/3機、素子の大きさは17.3mmx13.0mmで、4608x3456個の素子が集まっているのでピクセルピッチは、3.75μm
- コロナの明るさ
- Z6/Z6IIはフルサイズ機、素子の大きさは35.9mm×23.9mmで 6048×4024個の素子が集まっているので、ピクセルピッチは、5.9μm
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レイリーの限界:1.22λF |
レイリーの限界は第一極大に次ぐ第一極小の位置に隣の第一極大が重なる時の距離
容易に見分けられるとされる
- 偏光撮像:1.22×0.502×6.1 = 3.7μm
- コロナの明るさ:1.22×0.502×9.3 = 5.9μm
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ドーズの限界:1.11λF |
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ドーズの限界は眼視での経験的な物で望遠鏡の分解能に使われる。
レイリーの限界よりシビア
- 偏光撮像:1.11×0.502×6.1 = 3.4μm
- コロナの明るさ:1.11×0.502×9.3 = 5.4μm
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考察
偏光撮像・コロナの明るさ共にピクセルピッチが限界と同じか荒め、高画素機材を使う意味は余りないか? |
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焦点深度の計算
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Δ=2εF |
Δ:焦点深度,ε:許容散乱円,F:F値 |
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・Z6・Z6II のピクセルピッチ.5.9μm、E-M10なら3.75μm、これを最小散乱円にする
・BORG77EDII+x1.4テレコンの時、F9.3
・BORG45ED+x0.85レデューサーの時、F6.1
すると、
・Z6の焦点深度は2×5.9×9.3=110μm
・E-M10 mkIIなら2×3.75×6.1=46μm
⇒使用中のBORG M57ヘリコイドDXIIの1目盛は100μmなので、回す分には
・BORG77EDII+Z6/Z6IIでは1目盛=約1mm位の幅での動きが誤差、比較的何とかなりそう
・BORG60ED+E-M10では、0.5目盛弱の誤差、ちょっと難しそう
ちなみに銀塩時代の最小散乱円は201)~302)μm位だったようです。
1)吉田正太郎・カメラマンのための写真レンズの科学・地人書館
2)吉田正太郎・天文アマチュアのための屈折望遠鏡光学入門・誠文堂新光社 |
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