2-1-3,バッテリグリップの改造について  
 バッテリグリップの改造は、一連の製作の中で一種改造の花形的な?モノかもしれません。純正より安価とはいえ、4,000~5,000円台のバッテリグリップをバラシて配線を付け替えて引っ張り出すのですから、再度組み上げることを前提としたバラシとは訳が違う(笑)。私はAmazonから適当に安いものを購入していますが、一昨年の改造時に同じMD-B15(純正ならD7100, D7200共用)の互換品が使えるかと思ったら、使えなくて、新たにD7200にも使えると書いてあった品でも使えない、同じ販売元でもロットにより使えない…といったことを経験しました。また、バッテリグリップとバッテリトレイをつなぐ5本のピンでシーケンサによるOn/Off信号のやり取りもD7200ではできなくなっていました。
 販売元が同じでも互換品の卸元がさりげなく違う??と思える事例もアリ、一般的にどうバラシて線を引き出すか、という事は書きようがないということもある、ということもアリ、今回は文書とちょっとした図のみにしようと思います。

 先ずはバッテリグリップのトレイを差し込まない側にシャッター関係とシャッター速度変化用の線を引っ張り出すためのケーブル穴をあけておきます。私は細いものを使ったので、2mmの穴を、バッテリグリップの前と後の噛みあう部分の切れ目あたりに穴をあけました。ここの空間の内部はトレイが差し込まれているかどうかを判断する接点こそあれ、ほぼ何もない空間です。

 分解の手順は簡単、上のカバーのネジを全部緩めて外し、電子基板とデジイチに止めるための1/4インチネジを回す機構にあるネジを、トリッキーなところにあるものまで外し、ひっくり返して接地するゴムを剥いでネジを片側半分外して半分の割ります。この時、グリップの前側=シャッター関係&グリップのOn/Offをするスイッチ、絞りのダイヤルスイッチが付いている、の信号が通るフレキシブル基盤の先端が刺さっていると電子回路基板のコネクタを上手く外します。これもキツイ・適度、といった差があり、私はミスしてフレキシブル基盤を引きちぎってグリップ1個お釈迦にしてしまいました。
 2つに割れたら、シャッタースイッチとロータリースイッチの組が止めてあるネジを外し、シャッタースイッチのある部分から2段階スイッチのコモン端子とフォーカス、レリーズの端子をテスターの導通から探り出し、フォーカスとレリーズだけ引き出して配線を上手く引っ張り回しつつ、元に戻します。
 後ろ半分にはシャッター速度を変えるためのロータリースイッチがあるので、これも必要なだけバラシて、コモン、内側接点・外側接点の3本線を引っ張り出します。こちらの方は、半田付けしたい端子が素で見えているやりやすいものと、ばらせるだけばらして配線をとりまわさないといけない、という厄介なものがあります。この2つを今回経験しました。
 配線に使う被覆リード線は、狭い隙間を引っ張り出すため、細い線が欲しい。ということで、100円ショップで売っていたUSB Aオス-マイクロUSB オスの表皮を剥いで中の線を使いました。0.5-1mで108円で、上手くすると5本線だったりするので(ミニ・マイクロUSBには5本端子があるため)、結構お得です。
 これまでなら、バッテリグリップのトレイにシーケンス回路を載せるところですが、今回そのシーケンス回路は外付けのため、配線を外に出さないといけません。これに100円ショップのケーブルを使ってもいいのですが、信頼というか、安心というか、を買うため、家電量販店などで扱われている細く、長いUSBケーブルを入手し使っています。USB Aオス端子でシーケンス回路とバッテリグリップを接続するため、外皮のシールド線をコモン、他4本線を適宜割り振って半田付け…する前に熱収縮チューブを仕掛けて、半田付けしてからくるんでライターなどで熱して絶縁します。
 細身のUSBケーブルを引っ張り出して、前後に割るために外したネジたちをできるだけ元あったところに戻して適度に締め付けてゆき、上カバー、下側のねじを締めてしまえばおしまいです。
 たまたま買ったものが拙かったか、ちょっとねじを締めるトルクを強くしたらネジの収まる部分が崩壊したとか、ネジ山のエンプラ側が舐めたとかいう経験もしましたし、長いネジ、短いネジのありかを間違えるとバッテリトレイが差し込めなくなったりするので、注意が必要です。この関係でやはり1つバッテリグリップを破壊しました。こいつ、かなり脆いプラスチックだったようで、本番にと改造したD7200用とD750用2つ目は、そんなに注意しなくても大丈夫でしたが…。

 あとはバッテリグリップをデジイチに接続して元々のスイッチが上手く動くかを確認し、次に適当なファームを書いて入れておいた2-1-1''のシーケンサに取り付けて動作を見ます。うまくうごかないものだな、ふっ…と一息ついたら、正しく動かすためのPICのピンの設定を考えてファームウェアを考えることにします。
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