GPS補正付時計&コマンダー


Last Update:2014.Nov.17

はじめに
 某日食関係の集まりの時、第2接触10秒前にシーケンサを確実に起動しないといけないのが難点、と話したら、「外付けタイマーリモコンを使ったらダメ?」という意見があがりました。その手があったか!!と完璧に一本取られました。
 そんな訳でパチモンのタイマーリモコンを素材に工作することにしました。

コンセプト
 現在の改造したリモコンコードでは、自動多段階撮像装置(シーケンサ)の電源をOnにする専用スライドスイッチとシーケンス開始の信号を送るプッシュOnスイッチの2つのスイッチを組み込んでいます。電源側のスイッチは撮像開始前にはOnにして、撮像終了時にOffにします。一方でシーケンス開始信号は第2接触10秒前に1回一瞬Onになるだけで良いです。なので、2つの異なるスイッチがタイマーリモコンに必要になります。そのため、スライドスイッチかトグルスイッチをタイマーリモコンに付け加えられれば、それに越したことはありません。
 ・・・が、そんな空間は手持ちのパチモンのタイマーリモコンを分解したのですが、どうやらなさそうです・・・
 どうするか?先ずはどんな仕掛けだろうかとタイマーを動作させながら手動で直に撮像するスイッチを弄ったりしていると何となく浮かんできました。
 タイマーリモコンの概念的な作りは個人的にはこんな感じにとらえています(右下図)。
 制御タイマー類は、それ用スイッチがOnになると、前もって設定したシャッター信号を送るまでの遅延時間後にOnになり、設定された継続時間(シャッター速度がバルブの時の露出時間)の間Onであり続けてOffになります。遅延時間中に手動スイッチを弄ると、フォーカススイッチやシャッタースイッチが入ったことがLEDで示されます。単純化すると手動スイッチはタイマー類と並列に取り付けられていると考えられます(とはいえもう少し込み入った仕掛けのようですが)。
 ここで内部配線を弄って、左の図のようにしてやれば、手動スイッチをシーケンサの電源専用に出来、制御タイマー類からのシャッター信号をシーケンス制御を開始する信号に使う、という事が出来そうです。問題として、パチモンのタイマーリモコンは、Onになっても絶縁状態から電気抵抗(7MΩ程度)を示す状態に移行するだけで電気抵抗が0Ω近くになることは無いようです(手動SWを弄ったりして試験したことがある)。これできちんとシーケンス制御の開始信号になってくれるかどうか?それは試してみないとわからないですが。
実際の工作
裏返してネジ6つを外すとパカッと開く。水晶発振子を使っていました。団扇かコテみたいな恰好をしたのが3枚重なったのが手動SW。どうしてこんなに大きいか? 上の3本の黒いリード線で手動SWの3枚重なった電極から制御タイマー類に接続している。コテの一番下、基盤に接続されているリード線の一番左がコモン。下側のリード線白がコモン、黄がフォーカス、赤がシャッターの信号が通る、外部への結線になる。
コテ状の電極と基盤との接続具合。熔けにくかったのでどうやら無鉛半田でついているようです コモンの黒リード線を残して他の2本を外し、フォーカスの黄色いリード線を外したコテ状の電極にはんだ付け

 元通りネジを締めたら工作は終了。このタイマーリモコンはNikon用、コネクタは専用形状。このコネクタを2.5mm径のステレオジャックに配線する必要がありますが、これは発注中のCanon EOS Kiss用のステレオジャックに合わせた配線にしたい(2台のカメラを制御するとき、どちらのシーケンサにどちらのタイマーリモコンでもOKなようにしたいから)。縦位置グリップの方も少々手を加えて、受け口を取り付けたいと考えていますが・・・空間的に無理か。
上はNikon用(工作が終わったものなのでニコンのコネクタではなくキヤノンの2.5mm径ステレオジャックになってます)、下は最近買ったCanon用、手動SWの形が微妙に、押した感じが随分と違います。   裏側
中身は随分と違います。黄色がコモン、白色がシャッター、赤色がフォーカスになっていました。 手動スイッチのリード線を、コモンは残し他2本は取り外し、赤色線を手動スイッチにはんだ付けします。あとはふたを閉めれば終了。
←ニコン用のタイマーリモコンの端子を切り離し、をキヤノンに準じた形で2.5mmステレオジャックにはんだ付けしていきます。
 根元の接続部がコモン、真ん中がフォーカス=電源、先端がシャッター=開始コマンドになります。
 動作チェックをしてみると、コモン‐電源間は抵抗が0Ωになりますが、コモン‐開始コマンド間もどういう訳か0Ωになりました。これなら案ずることなくシーケンサを起動できると思われます。
 対応するソケットは2.5mmのステレオジャック。根元の端子はわかるのだけど、2つの端子のどちらが真ん中・先端かはわからないので、とりあえず配線(銅色に赤線、錫メッキ?に白線を接続)して、テスターで調べました。
 さりげなくショートしたりして結構面倒でした。ハズキルーペで見てもイマイチわからなかったり。
 手動スイッチと同じ、シーケンサのマイナス極、電源スイッチ、開始コマンドに相当する端子に上で半田付けした対応する線をはんだ付け。そして動作チェック。写真はD600用です。ステレオジャックのショートが何より厄介。


 こんな感じでハードウェアを弄るのは取り敢えず終了。任意の時間後に撮像のシーケンスが始められます。皆既直前のテンパった状態でアストロソーラーフィルターを外し、シーケンサを起動するのではなく、例えば10分前など余裕のある間にシーケンスの始動を予約しておけるのは非常にありがたいです。GPS時計によるコマンド発生をしなくても良くなりました。

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