Lab. of Voynich Code
2023年オーストラリア・インドネシア    金環皆既日食のたくらみ
撮像時刻記録装置=打刻機
製作準備-①
2021.10.17:Open 2021.12.11 Debug

打刻機とは、その必要性

打刻機とは
 ここで言う打刻機は、カメラのシャッターを切った時刻を記録し保存する装置である。

必要性
 今回の日食撮影では、科学観測として太陽の光球面とコロナの明るさの比を求めるデータを撮影する。なので、第2~3接触の皆既中は未だしも、第1~2接触前、第3~第4接触後までの間に光球面を撮影した場合、何時頃撮影したかをある程度正確に記載しておくことが良いのではないかと考えた。勿論カメラにも時計が入っており、撮影時刻をExifデータとして画像データに紐づけて記録されるが、もう少し正確に時刻データを残そう、という考えである。
 時刻情報が正しく残る事で、太陽高度もあとで計算できる。そうなれば大気の厚さの効果を補正するとかいろいろなことがスムーズに行えると考える。私は解析しないけど、解析される先生の助けにはなると考える。

打刻機の概形

どんな風に実現していくか?

 マイコンはESP32系統のM5Atomicの「GPS センサ M5Atom プラットフォーム評価拡張ボード」を使う。これにはGPSとマイクロSDカード(TFカード)のリーダー・ライターがセットされている。

基本動作 
  1. 事前に設定することに、GPSで正確な時刻を得ておき、RTC(Real Time Clock)を補正する
  2. 撮影開始と共に、ホットシューからシャッターが切れた信号を得てその時刻をRTCから得てTFカードに記録する
 という段取りである。必要になるハードウェア・ファームウェアには、
  1. ニコン Z6のホットシューからのシャッターを切った信号を得た後に、一種のリセットをしないと信号がオンのままになる。その処理をする仕掛け→PIC
  2. GPSから時刻信号を抽出し、RTCを補正する→M5Atomicのファームウェア
  3. シャッター信号を得たらRTCの時刻を得てTFカードに記録する→M5Atomicのファームウェア
  4. ついでにシャッターが切れたことを示すインジケーターも欲しい→PIC
 が想定される。

必要になること

●マイコンで何を行うか

○PICマイコンの動作:ここでは2個(PIC1とPIC2)使う
  1. PIC1はカメラのシャッターが下りた時に、信号を受けてM5Atomicともう一つのPICに信号を送る。カメラのホットシュー信号をリセットする。具体的には信号入力ピンをプルアップしておきシャッターが下りたあと、プルアップをOnからOffにして、再度Onにする。一連の動作を75msの間で行う。これはZ6IIでダイヤモンドリングのための連写は毎秒10コマなので、100ms以内に一連の動作を行いたいから
  2. PIC2は、PIC1から信号を受けた時に2秒間LEDを5-10Hzで点滅させる
○M5Atomicの動作
  1. GPSで時刻信号を入手し、外付けRTCの時刻を合わせて完了したらLEDを光らせる
  2. PIC1から信号が入ったら、最小10~100msの精度でRTCの時刻を得る
  3. TFカードにその時刻を記録する
●必要な準備

 PICマイコンはあまり問題なく実現できると思われる。
 M5Atomicについては、
  1. 基本的な動作を勉強しておく
  2. 外部端子の26番か32番のオンオフでLEDの色が変わるLチカ
  3. GPSから得た時刻でRTCの時刻を補正する仕掛外部端子のオンオフ
  4. 外部端子でRTCの時刻をTFカードに書き込む仕掛
  5. 全てのインテグレーション
 といった手順が必要。ここで、
  • 2.はマイコン搭載SWを使ったLチカがデモで存在する
  • 3.と 4.ではGPSから信号を得てTFカードに緯度経度時刻を書き込むデモが存在する
 なので、本質的には、基本的な動作についての勉強、特にI/OとRTCを扱う事について勉強することが必要になる。
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